polax416’s diary

学校ソーシャルワーカーやってます

不登校の原因が気になる人へ

初めに言っておきますが、私は不登校という状態について否定的な感情はありません。

なぜなら学校へ行くことがすべてではないからです。

昨今は特に学校に代わる居場所もたくさん増えてきて、現実的に選択できる進路も広がりましたしね!

しかし、そうはいっても実際我が子が不登校になってしまったら親として心配になるし、焦りもするでしょう。

原因をできる限り分析して我が子と語り合い、どうしたら我が子の心の状態を平穏な状態にしてあげられるだろう、と考えると思います。

また、例え学校に行けずとも、「教育の機会を与えること」が親の義務となっている(中学生まではね)ので、どのようにしたら我が子に教育の機会を与えることができるだろう、とも思い、そんなわけでいろいろ焦りを感じてしまうんだろうな…と予想できます。

そして私と同じように感じる保護者さんもきっと多いと思うし、実際、現在進行形で悩んでいる方々も多いのではと思います。

 

そこで、不登校の原因」について考えられるものをちょっとあげてみようと思います。(注)経験値に頼ったものなので、まだ気づいていない視点があるかもしれません…悪しからず

 

①いじめ、嫌がらせ(生徒間に限らず、先生または学校職員からのもあり)

 

②家庭で培われた信念・価値観によるもの(宗教・国籍・同じ価値観の集団への所属等による文化や生活信条、考え方の違い)⇒禁じている食材が給食で出る、家族の世話は学校より優先すべき、教科書で教える内容に納得がいかない、同じ服を着たり校則そのものに意味を見出せない、等々

 

③集団不適応(学業不振、対人トラブル、集団での指示が通りにくく集団生活がうまくいかない、人一倍繊細な感受性による辛さ)⇒勉強についていけない、逆に簡単すぎてつまらない、嫌いな子に会いたくない、周囲から浮いていて仲良い子がいない、休み時間に何をして過ごせばいいのかわからなくて苦痛、急に予定が変わったり教室を移動したりするのが嫌、体育や生活指導の先生が厳しくて怖い、先生の怒り方が怖くて自分じゃなくても怒られている人を見るのが嫌、友達同士の噂話や悪口などが聞こえてくるのが嫌、そもそも非言語情報をキャッチしすぎて学校生活がしんどい、苦手なことをやりたくない、みんなと違うことはしたくないけどついていけない、やる気はあるのに周囲がちゃんとサポートしてくれない(親を基準と考えている)、等々

 

④ヤングケアラー、貧困、虐待、養育に欠けた状態(ヤングケアラーは②にも被るが、親の信条に関係なく環境的に仕方なくヤングケアラーになっている場合はこちら)⇒親が体が弱く寝込みがち・過剰労働で不在がちなので他の家族に対し親の役割を担っている、必要なものすら買ってもらえない、家がごみ屋敷だったり風呂に入らないなど不衛生だから臭いなどが原因で周囲に煙たがられる、虐待されて心身ともに疲弊し無気力状態、親が日本語を話せずあるいは日本社会に馴染めず情報が入ってこないため色々諦めている、等々

 

⑤体調不良(頭痛、腹痛、吐き気、朝起きられなくてだるい、ほか体の不調)

 

⑥親の精神疾患発達障害(母子分離不安、養育能力が低いことによる子への影響、感染不安、極端な被害妄想、大人同士のコミュニケーションへの強い拒否、等々)⇒子どもが嫌がっているし心配なので学校に行かせたくない、感染症に罹患させたくない、提出物や宿題などの管理ができないから行かせるのが面倒、学校から煙たがられている(と思い込んでいる)、周囲の保護者から嫌われて嫌がらせされている(と思い込んでいる)、そもそも誰とも関わりたくないので放っておいてほしい、等々

 

⑦その他(慣れ、引っ込みがつかなくなった、兄姉の影響、自分以外の家族同士の関係が良くなく無意識の反抗心から)⇒最初は怪我や病気で休んでいたが休む習慣が身についてしまった、兄(姉)ばかり休んでてずるいから自分も休む、特定の家族間同士がいがみ合ってて両者から愚痴を聞かされてうんざりしている、不登校カッコイイと主張してたから今更登校できない、等々

 

<補足>

①は原因がはっきりしていることが多いため、解決出来たら解消される可能性が高いです。

③、④、⑤、⑥の裏側には愛着障害(愛着形成不全)や発達障害(偏り)、HSC、親の過保護及び過干渉が高確率で関係しています。また、精神疾患の可能性も視野に入ります。

⑦はきっかけがあると急に登校できるようになるパターンが多いです。

あと、複数の要因が絡み合っている場合も多いです

 

 

で、原因がおおよそわかってきたら、次に何をすべきか見えてくるので、

医療機関受診、カウンセリング受診(保護者自身の受診も含む)

★学校⇒教育委員会⇒法的措置(段階を踏んで実施)

★(家庭の)信条に合う教育機関を探す

★子どもが安心できる環境+教育の機会作り

★福祉の力を借りるために専門家に相談

★生活習慣や生活環境を変える

★我が子への理解を深め(本を読んだり専門家へ相談したりして)自身の対応を変える

★家族関係を見つめ直し、専門家の力を借りながら変えていく努力をする

★学校と協力し合って登校刺激を与える(リスク高いのでタイミングや原因をよく見極める必要あり)

 

…といった行動をとることが必要となってくるでしょう。

そうはいってもすぐに行動に移せることもあれば移せないこともあるので、まずは専門家に相談するところから始めましょう!