polax416’s diary

学校ソーシャルワーカーやってます

ハウスダストと発達について~エコチル調査より

エコチル調査って知ってますか?

エコロジー」と「チルドレン」を組み合わせてエコチル調査といいます。

何の調査かというと、「子どもの健康と環境に関する全国調査」であり、赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から13歳になるまで、定期的に健康状態を確認させてもらい、環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにする調査のことです。

 

その中で、2021年4月に専門誌に掲載された、エコチル調査(富山ユニットセンター)の内容が興味深かったので紹介します。

 

81,106組の母子を生後6か月と1歳時に調査したもので、ハウスダストを避ける行動が乳児の精神神経発達にどのような影響を与えているかといった内容です。

ハウスダストを避ける行動、というのは例えばリビングルームに掃除機をかける頻度とか、布団に掃除機をかける頻度、布団を干す頻度、布団にダニカバーをかけるか否か、などの行動です。結果、これらの忌避行動の頻度が増えたり行ったりすればするほど発達(話す・聞く・立つ・歩く・ものを掴む・他人とのやり取り・考えて動く等々)が遅めである子どもが少ない状況が明らかになったとのことでした。ただ、除去したハウスダストの量や種類、吸引・経口摂取した量は測定していないので詳細はわかっておらず、今後のさらなる研究に期待する形で終わっているようです。

 

ちなみに、ハウスダストとは衣類などの繊維のクズ、ダニの死骸、フン、砂ぼこり、花粉、カビ、ペットの毛など様々なものがあります。また、これらに、鉛、難燃剤、多環芳香族炭化水素などの有害化学物質が含まれているそうです。吸引(呼吸)だけでなく経口によっても体内に入り、喘息や鼻炎などアレルギーの原因として知られているけれど、近年は精神神経発達への影響も懸念されているとのことです。

 

子どもの発達に限らず、大人でもハウスダストによるアレルギー疾患及び皮膚疾患などから、不眠や集中力の低下・生活環境の悪化が生じ、結果「ストレスの増加・自律神経の乱れ」が起こります。そうなると精神疾患(特にうつ病や不安障害)に繋がりやすくなるわけです。

つまり、住環境って大事なんだなということですね!