polax416’s diary

学校ソーシャルワーカーやってます

HSCと不登校

HSC(ハイリーセンシティブチャイルド)という言葉をご存知ですか?

ここ最近でかなり認知度が上がったので、特にこういうブログを興味持って読んでくださる方々はすでにご存知でしょう。

「人一倍敏感な子ども」と言われており、病名ではなく生まれつきの性質として解説されていますね。アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン氏が提唱した概念です。

ネットでググれば様々な解釈が出てきますし、セルフチェックなども容易にできます。

簡単に言うと、少しの情報から多くのことを察したり、周囲の空気を敏感に察知したりする能力が高く、五感が鋭く刺激や環境の変化に弱い。また、感情的な反応が強く、他人の感情にも反応しやすい。そして非言語情報(表情・ジェスチャー・声色・身体的接触・距離感・身体的特徴・身に着けているものやその場の調度品、雰囲気等)に非常に敏感で、その場の変化にいち早く気づく、といった性質を持っています。ちなみに大人はHSP(ハイリーセンシティブパーソン)と言います。

知れば知るほど、刑事とか探偵に向いた性質なのでは?なんて思ってしまいますが(笑)

まぁ他には、心理関係、教育関係、医療関係、芸術関係・・・などなどもあるでしょうが、ただ、大勢と関わるとストレスがたまりやすいため環境がとても重要でしょう。

 

ところで、こういう性質を持った人は、脳の「偏桃体」という部位が過剰に働きがちと言われています。また、神経伝達物質セロトニンを運ぶ力が弱く、偏桃体の興奮を鎮める事ができずに過敏になってしまうとも考えられています。

つまり、精神疾患を発症する可能性が通常の人よりは高いとも考えられます。

 

さらに、私の経験値や伝聞等の統計で書かせてもらうと、HSCのお子さんは発達に”より”偏りがあることが多いです。成長の過程で、偏桃体などの”ある特定の部位”の働きが過剰に多いことの影響なのかもしれません。

 

ということは…前の記事にも書きましたが、不登校の原因の中でも「集団不適応」を起こしやすい、となりますね。そしてストレスが起因の体調不良に発展しやすいとも考えられます。

 

まさにうちの子だわ!と思われた場合、じゃぁどうすればいいの、となると思います。

遺伝的要素もあるとは思いますが、必ずしもそうでもない(つまり親が同じ性質とは限らない)ので、共感してあげられず「育てにくい」と感じる親もいるでしょう。または、似た者同士過ぎて自分を見ているようでツライ!となる場合も…。

すでに何か事象(不登校自傷行為など)や症状(原因不明の体調不良、不眠、食欲不振など)が出ているようであれば当然医療機関や専門機関へ繋がるべきですが、そうでなくとも子どもが日々しんどそうな様子が見られるならば、愚痴を十分に吐き出させてあげる(真に受けすぎない)、HSCの本を一緒に読んで理解を深める、認知そのものがネガティブなほうへ偏りがちなるので事実だけを受け止められるよう訓練をする、そしてそして何より大事なのは…「親が正解に囚われすぎない」こと!!です。

まぁこれはどんな親にも言えることなのですが、親のケアが痒いところに手が届けば届くほど(子の一番の理解者ですからね)、そして子が正解にたどり着く道のりを省略すれば省略するほど(子の苦しむ姿は見たくないですもんね)、子の思考力を奪い、解決能力を奪い、子が上手なヘルプを周囲に出せなくなり、過剰な察してチャンを発動したり他責思考的になったりしがち(自責思考も強い性質ですが)です。⇒自分も悪いけど相手も気づかないのが悪い、親は~してくれているのに周囲は気づかない人ばかりだ、自分なら気づくのに周囲は気づいてくれない、等々

 

良く、不登校の親に聖職者と言われる職業の人が意外と多いと言われていますが、上記のことと無関係ではないでしょう…。

ここに関しては自戒を込めて書いています。私も我が子の思考力、解決能力を奪っていた自覚があります。我が子は周囲にも恵まれ学校に楽しく通っていますが、HSCだと思います。そして私自身もHSPだと思います。

幸い他責思考には偏っていない様子ですが、このまま私が気づかぬまま子育てを続けていたらどうなっていたかわかりません。父親がストッパーになってくれていたとしても、です。

今は、失敗したり反抗したり試行錯誤したりしながら子にとってベスト・・・いやベターでもいいので、自身の力で人生を選択していってもらいたいと強く思っています。

 

あぁホント、人ひとり育てることがこんなにも難しいとは・・・!